【床下】夏型結露を発見、原因と対策を考える

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【床下】夏型結露を発見、原因と対策を考える
2023/9/20
2024/9/13

夏、床下に潜ったら結露を見つけました。

いつものように床下に潜っていたらいつの間にか手が濡れており、最初は何なのかわからず水漏れか?と。よくよく周りを見渡し、触ると…

これは…結露…!

濡れているのは断熱材、ガス配管、鋼製束、基礎立上り部など様々。ガス管には菌糸?のようなふわふわとしたカビも見えました。

床下の夏型結露

床下の夏型結露 

床下の夏型結露とカビ?

結露にカビとは気持ちの良いものではありません。

床下の夏型結露、知識としては知っていましたが自宅で起こっているとは…。

結露の原因や対策、温湿度の変化などをまとめてみました。

※ベタ基礎・床断熱のケースです。

床下が結露する理由

まず基本的なところから。

**湿った暖かい空気が冷やされると結露します。**空気は気温が高いほどたくさんの水分を含めますが、冷やされると水分を保てなくなり結露として表面に出てきてしまうわけです。

床下内の気温は安定しています。冬は外気よりも暖かく、夏は涼しいです。2023 年猛暑の仙台での床下温度は平均的に 24℃ 程でした。

結露を発見してからというものの、床下環境を計測したくなりSwitchBot の防水温湿度計を購入。床下と外に設置。

ごちゃごちゃグラフですが2023/9/1 9時を見てみます。

床下の夏型結露 グラフ

外気床下
温度35.6℃24.3℃
相対湿度50%92%
絶対湿度21g20g
露点温度24℃23℃

温度と相対湿度には大きな差がありますが、絶対湿度と露点温度はほぼ同じ。外気の湿度50%が床下に入ってきて、持てる水分の絶対量が減って92%になる。もー飽和するよー!!って状態です。

露点温度が23〜24℃なので、24℃ 以下のものに触れると結露するという訳ですね。床下温度は 24.3℃ なので、ギリギリというか場所によっては結露していると思います。

8 月末〜9 月中旬までの床下の湿度を見ると 90%を下回ることはほぼなく、96%にもなることもしばしば。夏はずっとこんな感じでしょう。そりゃ結露するわ。

結露を発見した時の時間帯は午前中、昼前くらい。 夜間にやや涼しくなった床下に、日中気温が上がった外気が入る。鋼製束や配管など表面温度が低めの所を中心に結露する、と考えられます。

結露の仕組みとしてはこんな感じと思いますが、これだと床断熱の住宅は皆結露することになってしまいます。

でも違うそうじゃない。実際結露しているお宅はそんなに多いのでしょうか。わからんけど…違うと思いたい。

結露しない=相対湿度が下がっていれば OKということ。床下湿度が 90%を超えると結露リスクが上昇、80%以下であればカビの成長も抑制されるという研究結果があります。更に基礎の外周よりも中央部が温度が低く結露しやすいとのことです。(参考:床断熱工法住宅の床下温湿度環境の実態調査と高湿化抑制手法に関する調査研究

床下換気で相対湿度を下げたい

結露の原因が温度差にあるなら、床下と外気の温度差を少なくできれば結露しにくいはず。

床下の換気に関しては空気を動かしてカビや腐食予防というのがセオリーですが、夏はそもそも外気の温湿度が高いので換気しても絶対湿度はあまり下がりません。換気の目的は絶対湿度を下げることより、**「外気の高い気温を取り込み相対湿度を下げる」「空気を循環させて温度を一定にする」**にあるのではないかと。

また、換気量を増やし外気の変化に床下の温度をついていかせることも大事そう。基礎の換気量は大抵足りてふいないそうです(参考:戸建住宅の夏季における床下高湿化及びその対策に関する研究

断熱性能によって結露リスクが変わる?

床断熱の性能が低いほど結露しにくく、高いほど高リスクという話もあります。断熱性能が低ければ一階の室温が床下に影響しやすい。夏の床下温度は 24〜5℃ くらいなので、室温はそれより高いことがほとんどでしょう。床下が温められて飽和水蒸気量が上がり、相対湿度が下がるというわけです。

とは言っても結露するかどうかは他の要因(換気量や基礎区画構成、周辺環境など)の影響が大きいそうで、床断熱の性能はあくまで一因ということのようです。高断熱住宅=結露ではないですしね。

結露(湿度上昇)原因まとめ

ざっと考えうる床下結露の原因を挙げてみます。

  • 床下換気量が少ない

  • 床断熱材が厚い

  • 基礎立上りが多い、区画が複雑

  • 基礎周りに通気を妨げるものがある

  • 近くに水場がある

  • その他、盆地など地域的なもの

地域的なものは仕方ないですけどね。

わが家の床下結露の原因を考える

ではなぜわが家の床下で結露したのか。なぜ相対湿度がに 90%超えと高いのか。

床下結露の具体的な理由?

  1. 北面は玄関が 2 箇所あり気密パッキン= 2/3 ほど換気不可になっている
  2. 南面は全面ウッドデッキ、更に荷物があるため通気しづらい
  3. 西面は塀が近いのでやや通気しづらい?
  4. 洗面や WC、玄関近くの基礎立ち上がりが入り組んで通気しづらい
  5. 付加断熱により基礎パッキンが一部隠れてしまった?
  6. 付加断熱中で断熱材を床下に置いていて通気が妨げられた?
  7. そもそも仙台は夏に湿度が高い地域だった

考えうる原因を列挙してみました。
1 ~ 4 は構造的な問題なので如何ともし難いですが、ウッドデッキ下や基礎周りの整理整頓で多少改善できそうです。北側に玄関 2 つ並べるのは断熱性の面からもつくづくミスでした。北と東 or 西など方角を分けるとよかったかなと。

4,5 は今年床に断熱材を追加しており、床下にモノを置きっぱなしにしましたし、一部基礎パッキンに断熱材がかぶったりなどがあったかもしれません。できるだけ塞がないように怪しい箇所はスペーサー(断熱材の端切れや塩ビパイプの端切れですが)を挟んで通気を阻害しないように気をつけていますが、完璧ではないため今後手を入れていく必要はありそうです。

7 の地域性。どうやら私の住んでいる仙台は夏蒸し暑い地域らしいです。仙台から出たことがないので気にしていませんでしたが、確かに夏の夜によく霧が出ていました。海からの南風の影響らしいです。そんならある程度仕方ない。

床下結露の対策を考える

あらかた原因が出たところで対策を考えます。と言っても目新しいものはなくほぼ定番ですね。

  1. 基礎外周部の整頓
  2. 床下を直接換気する
    • 床下換気扇の設置
    • サーキュレーターで一時的に回す
    • 送風ファンを設置する
  3. 床下調湿材を使う?

根本的な解決には 1、2 が必要だと思います。1 はできるだけ基礎の周りに物を置かないとか風通しよくしておこうってことですね。

個人的に 3 の調湿剤はあってもいいかな、くらいで。調湿剤って床下に敷き詰める形になるので、数も居るし敷くの大変だし(新築やリフォーム除く)敷いてあると床下潜りづらいし、でデメリットもあるなと。試しに炭系の調湿剤を 1 坪分くらい敷きましたが、これだけでは目に見えるような効果はありませんでした。

床下換気扇について

ほとんどの床下換気扇はしっかり通風口(四角い穴)が開いてる基礎向きの商品が多いです(参考:三菱床下用換気扇)。通風口ありならこういった商品は信頼度高いですね。ただ、わが家もですが基礎パッキンで換気をするタイプの住宅だと選択肢は限られます(参考:SEIHO 基礎パッキン用専用ノズル)。専用の床下換気扇を設置するのはややハードルが高い。

送風ファンでの自作について

送風ファンを購入して DIY 床下換気扇!をされている方もいらっしゃるようです。電気工事士の資格をお持ちだったり、床下に配線を回せる環境ならありかも。万が一漏電などあっては大変なので、床下という見えないところの DIY 設置はある程度スキルのある方向けかとは思います。私も検討しましたが、資格なしでできることは限られてしまい断念しました。そもそも線が床下に入れられない。

手軽なサーキュレーター

床下にサーキュレーター

サーキュレーターを使う、が私が今取れる策でした。使い方は簡単、床下点検口を開けてサーキュレーターを入れて回すだけ。

床下の結露が気になるのは主に夏なので、気になるときにサーキュレーターを回せば長期的な高湿状態にはならないのではないでしょうか。外気温が下がるにつれて湿度も下がるため、夏場だけちょっと手間をかけるのも一つの手かなと。

床下環境は気にしなさすぎず、気にしすぎず

色々と書いてきましたが、少し結露したからといってすぐに酷い状態になるわけでもありません。高湿でもその後乾くなら問題ありません。なので、あまり神経質になりすぎる必要はないと思っております。

ただ、自宅の床下がどうなっているのか?結露や湿気が溜まりやすいのか?と状況把握しておくといいかな、と。結露にしてもあまりに量が多いなどは流石に心配してしまいますから。

私も初めて床下で夏型結露を発見してテンション上って記事にしていますが、記事を書いている 9 月中旬時点でまだまだ暑いのでこれから気温が下がってどうなるか確認していません。冬にかけてしっかり乾燥してくれるならいいなぁ…なにかあればまた書き残します。カビらしいものはアルコールタオルかなにかで拭き掃除しておこうかな。

素人には判断できない、手に負えなそうだと思ったら工務店さんなりインスペクターさんなり信頼できそうなプロの方に相談しましょう。ということで。ここまでご覧くださいまして本当にありがとうございました m(_ _)m

外気と床下の環境計測が必須なので、アプリで確認できる温湿度計の導入をおすすめします。私はSwitchBot 防湿温湿度計を使っていますが、Tapoなどからも手頃な価格で販売されています。

↑SwitchBot、↓Tapo。普段お使いのメーカーがあればそれで選べば問題なし(どちらもハブが必要)。

おかしなところなどありましたら是非ツッコミいただければ助かります。

author

caori

WEB制作/イラストレーター

caori

宮城県在住。WEBデザインから構築、管理。ものづくりと効率化が趣味。二世帯住宅自宅を気密断熱DIY中。詳細はabout