【玄関】ドアの断熱補強/完全分離二世帯ゆえ寒い?
冬に玄関が冷えるので断熱補強をします。冬にドアを触るとキンキンに冷えており、一部結露も。
完全分離2世帯住宅のためドアは2箇所ありますが、今回は片方1つをリカバリー?します。
まず最初に、このDIYのクオリティは非常に低いとお断りしておきます。
自宅で実験的かつ雑にやってますのであまり期待しないでくださいね。「こういうやり方をしたらこんな結果になるのか」と見ていただければありがたいです。
↓動画はこちら。ブログ記事よりかなりざっくばらんな雰囲気です。
わが家の初期スペック
- 2x4工法(木造枠組壁工法) 完全分離二世帯住宅
- 4地域 断熱等級4 UA値0.65
天井 | 吹込み用グラスウール10kg 300mm |
壁 | 高性能グラスウール16kg 89mm |
床(外気に接する) | 押出法ポリスチレンフォーム保温板3種 135mm |
床(その他) | ビーズ法ポリスチレンフォーム保温板3号 65mm |
土間床等外周部 | 押出法ポリスチレンフォーム保温板3種 45mm |
窓 | Low-e複層(A10以上)日射取得型 2.33W/㎡・K以下 ※この仕様、たぶん南面掃き出し窓だけ |
玄関ドア | 3.49W/㎡・K以下 |
目次
わが家の玄関が寒い原因
まずわが家の玄関が寒い原因を考えました。
- 北側である
- 土間の断熱が弱そう
- ドアの断熱性能が低い
- 完全分離2世帯住宅ゆえ玄関が×2ある
まず玄関が2つある時点で断熱的に弱いです。
住宅の断熱性能のネックが開口部なのは上に引用した画像などからも明らかです。ドアは窓と同じく熱損失の大きい箇所です。
ドアだけでなく玄関土間(タイル)も断熱的に弱い住宅が多いのではないでしょうか。土間コンクリート部分の断熱は省略されている可能性があります。(中尾建築研究室さんの記事でわかりやすく解説されています)
わが家は設計上、土間周囲には一応断熱材が入っているようですが建築中に目視したわけではないので確認のしようがありません。現実問題寒いので断熱材があったとしても心もとない量なんだな、という感想です。土間下は無断熱です。
ドアには断熱材が入っていますが性能は期待できず。薄い発泡スチロールのようなものが1枚あるだけ・かつ採光用のガラスがはめ込んであります。熱貫流率としても3.49W/㎡・K以下と、もはや窓より低性能…建築時はドアに予算なんてかけられない、と思ってこだわりませんでしたが、今更ながら予算をかけるべき場所だったと振り返っています。(当時はUA値0.65でも十分、等級4が最高だったので特に疑問も感じていませんでした)
弱い玄関ドアと弱い玄関土間が北面に2つ並んでいるわが家。寒くないわけないだろ!!と書きながらガックリ。盲点でした。
せっかくこんなに断熱性能が低いので、リカバリーのやりがいはてんこ盛り。そんなわけで、手始めにドアの断熱補強に挑戦します。土間は別途進める予定です。
玄関ドア断熱リカバリー概要
具体的な方法
- ドア内側に断熱材を貼る
- 断熱材の上からリメイクシートを貼る
- ガラス部に中空ポリカを張る
- 適宜トタンを貼る
断熱材を貼るだけでは見た目が今ひとつのため、リメイクシートを上貼り。ガラス面は採光のため中空ポリカをはめ込みます。
ついでにマグネットをつけたい箇所と強度補強したい箇所にトタン平板を貼ります。
断熱材とリメイクシートを貼っただけでは柔らかく、足や硬いものが当たったときに傷ついてしまうので。
使用したもの
- ザ・スリム 4mm
- mt CASA FLEECE マットブラック
- 中空ポリカーボネート板
- 光 カラートタン シルバー
- 両面テープ(なんでも。リンク先はニチバンはがせる強力タイプ)
- ジョイントコークA (隙間埋め用)
- エプトシーラー5mm×10mm(隙間テープ)
断熱材は薄くて高性能で名高い?デュポン・スタイロのザ・スリム(熱伝導率0.028)を使用しました。通販でも買えますがホームセンターの片隅にひっそり置いてあったりするので、送料を考えるとホムセン購入がおすすめ。中空ポリカ板も同様です。
リメイクシートはカモ井加工紙のmt CASA FLEECEシリーズのマットブラック。貼ってはがせるタイプなので失敗しても貼り直せて気楽です。家族の意向もあり黒にしましたが、大きなドアに貼ると存在感がありすぎ、黒い印象が強い気はしますね。ゆっくり黒が引き立つような玄関に改装していきたい。mt CASA FLEECEシリーズ、現在は木目や漆喰調も出ているようなので選択の幅が出て良さそう。
トタンは楽天で購入。他の商品と併せて送料無料にすればお安かったです。白とシルバーで迷ったものの、黒いドアに白だとおもちゃっぽくなる懸念があったためシルバーに。結果良かったと思っています。
両面テープとジョイントコーク、隙間テープは断熱材貼付け時に使用します。
玄関ドアリカバリーやってみる
サイズ計測と部材購入
ドアのサイズを測ります。
採寸しだいたいの材料数と割付けを把握しますが、結構適当に考えてたのでザスリムは不足して買い足しました。採寸と割付って難しいですね。皆さんはぜひ丁寧に採寸してみてください。
ドアのパーツを外す
最初にできるだけドアのパーツを外しておくと作業が楽です。ドアクローザー、ドアノブ(把手)、シリンダー、ドアガード、あればスマートロックなど大抵のものは外せます。
しかし仕事や家事の合間に少しずつ進めるような場合、いちいち取外し・取付を繰り返すのは手間。今回は工程ごとに必要に応じて把手やシリンダー、ドアガードを外すだけにしました。が、結局やり辛い上に仕上がりも粗くなったため、次回やるなら全てのパーツを外そうと反省してます。
なお、取外しは必ず自己責任かつ取付方法を確認してから行いましょう。自信がないものは手を付けないことが大原則です。特にシリンダーは位置調整もシビアで、向きを間違うとやり直すはめになる(なった)ので要注意。
ザ・スリム貼り付け
採寸した通りにザスリムをカットし、両面テープで貼付けています。念のため剥がせるタイプのテープを使いました。
ドアパーツが付いていると角や曲面が増えて貼り付けづらいですが、地道に合わせながら貼付けます。シリンダー錠まわりなどはなかなか面倒で、あらかじめカットするサイズと同じ形に厚紙などを用意し、それを型紙にしてザスリムを切ると多少楽かなと。
隙間はジョイントコークで埋めておきます。なるべくザスリムと面(つら)になるように均します。リメイクシートを貼る際に表面が凸凹していると仕上がりも凸凹してしまいます。まぁ多少下手くそでも慣れれば気にならなくはなるので程々に。しっかり均すならパテを入れるべきでしょうが、簡単に復帰できなくなるため簡易な方法でいきます。(既にザスリムを凹ませてしまったけど放置している)
ここで問題発生。
ドアのピッタリサイズ通りに貼ると閉まりきらず隙間ができてしまいます。(分かりづらい絵ですみません…)隙間だけならともかく、最後まで閉まりきらないので鍵もかけづらくなりました。
ドアとドア枠の接触部にはパッキンがあり、ザスリムを貼ったドアの厚みをパッキンで吸収しきれずに浮いてしまうのです。
パッキンに干渉しない位置までザスリムを削りました。削っては閉め、削っては閉めを繰り返し削りました。面倒になってフリーハンドで削ったらガタガタになりましたが閉めればほぼ見えないので気にしません。
それでもうまく閉まらん、ということで最終的にドアクローザーを調整して閉まる直前の速さをやや早めました。
玄関ドアに断熱材を貼ったら閉まりがやや悪くなった。断熱材とドア枠パッキンが微妙に干渉してる様子。断熱材を削っていくもどうもスッキリしない。
→ドアクローザーの閉める直前の早さを上げる調整でそこそこ改善しました。— caori (@caori_st) July 16, 2023
リメイクシート貼り付け
ザスリムの上からリメイクシートを貼ります。使用したmt CASA FLEECEは230mm幅。縦に貼ると曲がりが目立ちそうなので横に貼ることに。
ポイントは切れるカッターを使うことですね。切れないカッターを使うと切断面がモサッとしたり変な力の入り方をして曲がったりします。しました。
ドアパーツを付けたまま貼った箇所はとにかく貼りづらく皺になりやすかったです。上の画像右側はドアガードを外して貼ったもの。
シートの継目や重なった部分が目立つ気もしますが、私は近眼なので誤魔化せてOKです。
トタン貼り付け
多くのドアは鋼板のためマグネットが付きますが、断熱材とリメイクシートを貼ったことによりマグネットが使えなくなってしまいました。
そこでマグネットを使いたい場所にトタン板を貼り付けます。ついでに足元400mm程の高さ(=トタン板の幅)までトタンを貼り、傷や凹みを防ぎます。既に誤って蹴ったり脚立をぶつけたりとザスリムが削れるほどボコボコになっていたので隠す必要もありました。
トタン板のカットは一筋縄では行かず、手持ちの道具で試した結果、プラスチックカッターで何度も溝を付けてから折り切るか金物対応のハサミで切るのが良いと感じました。金物用ハサミは確実な直線にこそ切れませんが、まあまあの精度で楽に切れるので妥協点としては良かったかもしれません。
中空ポリカはめ込み
中央のガラス部のサイズに合わせてカットした中空ポリカをはめます。
問題はガラスの縦幅よりも中空ポリカの長さが短いこと。繋ぎ合わせてジャストサイズにしてもいいのですが、面倒くさいので足りない分は余っていた他の断熱材(ミラフォーム)で埋めることにします。
中空ポリカは隙間テープで挟むようにすることでガラス面からやや浮かせて設置します。空気層を増やす目的です。
断熱材はやや小さめに切ってドアと同じリメイクシートを貼り、周囲に隙間テープを巻いて枠に密着させます。
完全に隙間をなくすことはできなかったのですが、もし結露など不具合がありそうならコーキングなどで埋めてもいいかなと。
完成
完成です。
なんとこのDIY、少しずつ進めていたら約半年もかかってしまいました。冬が来る前に断熱材を貼れたのでとりあえず一安心です。
写真で見ると粗が見えづらいですが、近くで見ると結構手作り感があります。黒いドアがやけに目立つので、ドア枠や周りの建具も色を考えたほうが良さそうです。
玄関ドア断熱DIYの効果
断熱材を貼ったあと(※ポリカは貼っていない状態)でサーモカメラで内側の表面温度を比較してみました。真夏、北側玄関。二世帯ゆえほぼ同じ条件の玄関ドアがあるので比べやすいです。
このときの結果は断熱材ありが29.5℃、なしが30.6℃。約1℃の差がありました。玄関内は空調もあまり届いておらず、室温と外気温の差があまりないので比較としては微妙なところかもしれません。北側で直射日光も当たらずドアが熱されることもないですしね。
断熱と言っても厚さ4mmなので劇的な効果は期待できないなか、それでも1℃ほどの差が出たのは良かったかなと。冬になったらまた熱画像を撮って、必要とあれば修正していきたいと思います。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございましたm(_ _)m